2014年 03月 15日
再会〜プログラムノート |
勇気を持って一歩を踏み出す立場から、勇気を持って踏み出すその一歩を送り出す立場になってきたのを感じます。
さて、今日は藤井眞吾コンサートシリーズ第87回です。
...三月は沢山の若者達が、巣立ち、新しい生活にむけて羽ばたこうとする時です。そして何年か経ったとき、現在の友人や恩師、仲間達との再会を楽しむことでしょう。私にとっての「音楽作品との再会」を楽しんでみたいと思っています。 ...
ということで、今月のタイトルを再会としたそうです。
いつものように、一足先にプログラムノートをアップいたします。
当日券ございますので、どうぞマンサーナ075-972-2834までお問合せ下さい!
プログラム・ノート 藤井眞吾
ジャズのライブハウスのように「藤井眞吾のギター演奏を聴くという場所があればいいな・・・」と願って、このコンサートシリーズを始めましたから、正直なことを言うとお聞き頂く方達だけでなく、演奏者である私自身も曲目に縛られず演奏を楽しめれば、と望んでいたのですが、なかなかそういうわけにもいきません。そういうわけで、毎回、なにかと「タイトル」を付けているのですが、今回ほど個性のないタイトルはなかったかもしれません。
今月は群馬県、長野県、東京、とツアーがあるので、それぞれに古い友人達と何十年かぶりに会う事ができると言う興奮に近いものがあったため、3月のタイトルを考えているうちになんとなく「再会」という言葉が浮かんで来たのでした。建前としては私が演奏して来た古いレパートリーなどをお聞き頂いて、作品との再会をしてみよう、と言う事だったのですが、よく考えてみると、演奏家はコンサートでは(・・・その時間の隔たりは色々ですが)いつも「過去の音楽と再会」しているのだと言う事に気付きました。それは、たとえ「初演」のものでも、ステージに上がるまでは練習をして「既知の音楽」であるわけですから、それはステージの上で「再会する」というわけです。いつも、ジャズ演奏家のように「即興演奏」が出来る人達を羨ましいと感じますが、それは音楽といつも新鮮な気持ちで迎える事ができると思うからです。
しかし自分の経験を振り返ってみると作品はいつも、何かの形で「再会」するものですが、しかし「演奏する」という行為は、一度も同じ事の反復であることはありませんでした。それは、これからも変わらないでしょう。
「一期一会」というのは千利休が茶道の心得、又は神髄として言った言葉だそうですが、私は演奏するときいつもそれに似た事を感じながら演奏をしています。作品との接点が「初演」であれ「再演」であれ、そこに見いだされる感動は変わらないと思っています。再会できると言う事は、それはその感動がもういちど与えられるかもしれないという、神に与えられた僥倖であるのかもしれません。
by manzanaM
| 2014-03-15 09:57
| 音楽企画
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