2006年 12月 29日
本を作る2 |

下薗さんは、60代になってコンピュータを始められ、毎日メールを書くことでコンピュータと馴染もうとされました。そこで、毎日歴史上のその日の出来事を決め、その事柄について数人の方にメールを書き始めたのだそうです。
それが長い間続き、これはメールで数人が読むだけではもったいないので本にしては、という話に発展したのだそうです。
1日分をB5サイズ2ページ(見開き)に収めるという形をとり、一年366日×2ページという大作になりました。
その出来事が分かりやすいように写真も入れたい、とのご希望が最初にあがりました。ところが、写真は著作権に肖像権が加わるので掲載するのは大変です。そこで、ご自身やお仲間のみなさんが、いろんな場所に足を運び、写真撮影をすることになりました。そして次は、より分かりやすいように地図をいれたい、とのリクエストです。これは私が作ることに決め、それなら人名索引もと、話が進んでいったのです。
何と言っても大変なのは校正です。「早起きをして仕事に出るまで校正ですよ」と笑顔で話しておられましたが、その早起きとは、おおよそ朝とは思えない、普通は深夜と言われる時間だったそうです。でも、連日の校正の疲れも見せず、いつも楽しそうに笑顔で原稿を渡して下さるので、頭がさがりました。周りの人に心配りをわすれない下薗さんは、至らない私にもいつも丁寧に接して下さいました。
本の内容は、歴史、政治、音楽、そして御家族の話と多岐に亘り、それは単なる史実の受け売りではなく、ご自身の考えやかかわりのある事柄が折込まれた、下薗さんご自身の本に仕上がりました。
多くの方々に尊敬されながら、残念ながら69歳で今年の8月急逝されました。
この本を作ることに携わることができたことに、感謝しています。
by manzanaM
| 2006-12-29 14:44
| デザイン
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